メンター制度とは?組織を強くする重要ポイントと注意点を把握しよう!

2024年5月6日

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今回は「メンター」についてのお話しです。

皆様はメンターと言う言葉の意味をご存知でしょうか?何となくは解っている人は多くいると思います。今回はメンターの基礎知識をメンターという言葉をはじめて聞いたという人にも解るように解説していきます。

メンター制度の由来

メンターとは日本語に訳すと「助言者、相談者」という意味です。メンターの由来は古代ギリシャの長編叙事詩「オデュッセイヤ」が基になっています。この中に登場するメントールという賢者が、メンターの語源です。メントールは王子の教育係として、数々の助言を行いました。この関係性を現代の企業活動に置き換えたのがメンター制度なのです。

日本でメンター制度が普及した要因として、終身雇用制度や年功序列制度の衰退、人間関係の希薄さに拍車がかかった等の時代背景もあると言われています。

メンター制度と似た役割としてチューター制度と言うものがあります。チューター制度は業務上の相談や助言に限定され、メンター制度はプライベートまでを含む広範囲に及ぶものと線引きがされています。

メンターとメンティー

近年、企業の人事制度や人材育成において、メンター制度を導入しているケースが多くあります。企業の中では新卒・中途を問わず、新たに入社してきた社員の指導・サポート係のことを指します。

メンター制度を理解する上で、その役割やメンターを選出する際の注意点等を踏まえることが大切です。メンターには入社した社員と年の近い先輩社員が選抜されるケースが多い様です。

また、指導やアドバイスを受ける側の人をメンティーと呼びます。メンターとメンティーは上司と部下の関係ではありません。そのため、仕事を指示することはなく、仕事における問題の解決方法を見つけるために助言を行うのです。また、この制度では、メンターが一方的に指導を行うということはありません。

メンターとメンティーは日々の話し合いなどを通じて、キャリアの目標を立てたり、達成するための計画を考えたりしていきます。そうすることでお互いに利益を享受することができるのです。

メンターはメンティー個人が持つ性格や能力に応じて臨機応変に対応していくことが求められます。また、実務経験や、メンティーと積極的に向き合うコミュニケーション力なども必要です。

組織を強くするメンター制度の重要性

企業活動における社員の育成においてメンターの重要性は高まっています。メンター制度を導入することで、社員同士の関係性を強固にすることが期待できます。

個々で仕事をする傾向が強い職場では、仕事の相談がしにくい環境になりやすいという問題があります。メンティーの相談をメンターが積極的に受けることで、精神的負担を軽減することができるわけです。

メンティーだけで悩みを抱え込むことがなくなるので、仕事上のトラブルをスピーディーに解決できるようになります。このような関係性を築くことで、メンターとメンティーの相互成長にも貢献するでしょう。メンターには責任感が生まれ、メンティーは新しい仕事を吸収しやすくなると言うメリットもあります。

加えて、気軽に相談できる環境を作ることで、快適な職場づくりの実現も期待できます。若手社員の定着を測るうえでも、メンターの存在は重要と言えるわけです。

このように、メンター制度は、新入社員から中堅社員における育成に役立ち、組織を強固なものにするための制度として活用されているのです。

メンター選びで重要なポイント

メンター制度を円滑に運用していくためには、メンターの選び方が重要になります。

情報把握

メンター制度での重要なポイントとなるのは、メンティーの基本情報をよく把握することです。メンティーがどのような人間でどのような悩みを持っているか等が把握できていなければ助言も的を得ないものになってしまうでしょう。

年齢や社歴

前述のように、メンターはメンティーの年齢や社歴が近い人物を選出するのが望ましいでしょう。メンティーはお手本を間近で観察しながら、自分と異なる世代の人と接する方法などを学んでいくことができるわけです。また、メンターがメンティーの気持ちを理解しやすいという点も、理由として挙げられます。

一方、あえてメンターを年齢や社歴、業務内容や専門知識などが自分とは異なる人を選ぶ場合もあります。その場合はある程度仕事に慣れて来てから次のステージに移る時など、タイミングを見計らうとなお良いでしょう。

また、メンターを「助言者、相談者」としてだけではなく、「こうなりたい人」と言う意味で捉える場合もある様です。

他部署のメンター

また、メンティーと異なる部署の社員をメンターに選出するのも1つの方法です。新入社員が抱える悩みの多くは部署内で生じる悩みが起因しています。直属の上司やOJTを担当する先輩社員が要因となって悩みを持つケースもあります。そこで、第三者的な立場として他部署の先輩社員がメンターとなることで、より相談しやすい関係性を築くことができるのです。

心に余裕を持った人

このような点を踏まえたうえで、メンター選びにおいて重要となるのがホスピタリティです。メンターは仕事を指導するのではなく、悩みを相談できる人物、精神的なサポートでる人物でなければなりません。ですから、メンターは特別な人である必要はありませんが、新入社員の面倒を見ることができる、心に余裕を持った人物であることはとても大切です。

業務内容から社内での人間関係、時にはプライベートな相談も受けることがあるかもしれません。メンター制度において信頼関係が重要であることは明らかでしょう。

気をつけておきたいメンター制度の注意点

企業の人材育成方法として期待が高まるメンター制度には注意すべきデメリットもあります。

サポート体制を整える

例えば、メンターに選出された社員はメンティーのサポートに当てる時間が多くなってしまい、通常業務とのバランスを保つことが難しくなってしまう場合があります。メンター自身の業務に支障が生じてしまっては元も子もありません。ですから、メンター制度を利用する際には、メンターとなる社員が疲弊しないよう、サポート体制を整えることが大切になります。

マッチングは慎重に

メンティーにとっては、メンターとの相性が問題となることがあります。上手くいっている他のメンターとメンティーを見て、不公平感を覚える可能性もあるでしょう。ですから、メンターとメンティーの組み合わせを考える際は、研修などを見ながら、慎重なマッチングを行うことが大切です。

居心地の良さ

近年では成果主義が強調されるあまり、自分以外の他の社員をライバル視してコミュニケーションが不足したり人間関係を構築しにくいと言う事例もある様です。

企業を強い組織にするには、社員一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮できるようにすることが大切です。そのためには、居心地のいい環境づくりが欠かせません。企業側としては離職率を下げる効果も期待できます。

メンター制度はこうした問題を解決する方法の一つとして、今後さらに拡大していくことでしょう。

まとめ

  • メンターの由来を知る
  • メンターとメンティーの違いと役割を知る
  • メンター制度の重要性を知る
  • メンター選びのポイントを知る
  • メンター制度の注意点を知る

 

近年では、メンターを「助言者、相談者」ではなく「先生、師匠、よき先輩、理想像」とみなす傾向もある様です。仕事上だけではなく趣味や日常生活をして行く上でも使われている言葉です。

どちらにしても、メンターの影響力は少なくありません。企業内でのマッチングや個人でのメンター選びは、将来の自分に影響を与える重要事項である事に変わりなないでしょう。

 

今回は「メンター」についてのお話しでした。

 

 

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