モンスター部下にブチ切れる前に特徴と対処法をおさえる!

2024年5月6日

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あなたの会社にもいませんか?やたらと面倒くさい部下や後輩。今のご時世、部下からの嫌がらせで悩む管理職も多いようです。やっと出世したのに部下がモンスターだったり、念願の転職先でモンスターが移動になってきたりしてガッカリしたことはありませんか。心の中で心底関わりたくないと思った人もいることでしょう。

どうして彼等彼女らはトラブルを誘発し人間関係や業務を拗らせるのでしょうか?モンスターにどう接すれば良いのでしょうか?何とかできないのでしょうか?そうは言っても彼等彼女等だけに問題があるのでしょうか?今回はそんな悩める社会人にエールを贈りたいと思います。どうか最後までお付き合いください

モンスター社員とは

明確な定義はありませんがモンスター社員とは、会社にとって利益を生み出さない、不利益な言動を振りまく社員のことを言います。勤務態度も悪く、失礼なことも平気で言ったり、自己中心的に振る舞い周囲に迷惑をかけているのにも関わらず理不尽な要求を振りかざす社員の事です。周囲からやる気やエネルギーを奪う割に自分は元気だったりします。

その中でも部下に限定した人達をモンスター部下と言います。モンスター上司、モンスター新人、モンスターバイト、モンスターペアレンツ、モンスターカスタマーなど色々なモンスターがいます。

たとえば、こんな人達をモンスター社員と言います。

  • 嘘や誤魔化しが多く指摘されても最もらしい理由をつけて何とも思わずまた繰り返す
  • 機密情報や個人情報などを平気で漏らす
  • 自分に都合の良いマイルールや特権などを勝手に作って発動する
  • 経費や会社の備品にも関わらず、自分の為に使う
  • やりたい仕事しかやらない
  • 上司の指示や会社の規則に従わな
  • 遅刻や無断欠勤が多く、しかもその理由を説明しないし説明したとしても到底納得できる内容ではない
  • 残業代欲しさに意味もなく残る、仕事をわざと残しておく
  • 社会人としての基本的な言葉使いや挨拶ができない
  • 会社や従業員の悪口をSNSなどに投稿する
  • 周囲の人に攻撃的、威圧的な言動を繰り返す
  • 言い訳が多くすぐ切れる、すぐ拗ねる
  • 謎の黙り込みパワハラやブラック企業などの言葉をよく使って自分の身を守ろうとする
  • 残業・飲み会=社畜の様な極端な価値観を持っている
  • 自分を大きく見せることに長けているが能力が伴っておらず結局周囲の人が尻拭いをする
  • 自分に部下や後輩ができたら平気でハラスメント行為を繰り返す  など

 モンスター社員のタイプ分け

上記ではモンスターの例をご紹介をしましたが、ここではモンスターをタイプ別に分けて説明します。新しい部署に配属になったり、転職した時に参考になると思います。

被害妄想型モンスター

被害妄想や自己肯定感の低さから自己卑下しているタイプです。懐疑心も強く犠牲者意識が染み付いていますので、何かと犠牲になってるアピールや苦労アピール、損したアピールなどを繰り返します。性格も捻くれ者が多く、急に塞ぎ込んだり、落ち込んだりもします。常にネガティブ思考に囚われ、ネガティヴな言葉を使い、ネガティヴなことばかりに意識が向かいます。ネガティブ探しをしているかのような人です。周囲の人のエネルギーを奪いうんざりさせます。

承認欲求型モンスター

自信のなさから、自己主張、自己アピール、有能アピールがとても強く常に自分をわかってもらおうと取り繕うタイプです。チームよりも自己の意識が強く、人から受けた恩義などはすっかり忘れてしまいます。

周囲の人から認められたいがために、自分を大きく見せようとすることも多く、自慢話や過去の栄光話、自分より優れている知り合いなども持ち出し聞いてもないのに得意げに話し優越感に浸ろうとします。自分に肩書きがつくと相手への態度が急に変わったりもします。一見控えめに見えても自己評価はかなり高めで他人を小馬鹿にした言動をとります。

依存型モンスター

感情の波が激しく、ところ構わず感情を爆発させたり問題行動をとることもあります。すぐに拗ねたり、やる気を無くしたり、キレたり、泣いたりし情緒が不安定なタイプです。ただ、自分を守るための言い訳はきちんと用意してあり、自分の身を守るための嘘をよくつきます。他人を基準に物事を判断するので、決めたことが間違ったりすると他人のせいにしたり他人を批判したりします。

周囲の人は振り回されてしまいグッタリしてしまします。また親への依存が抜けきれていない人は、休みの連絡を親がしてきたり、親が子供の代わりにクレームを入れてくることもあります。

攻撃、威圧型モンスター

いわゆるパワハラ気質のモンスターです。自分より下の立場や自分より弱い立場の人、自分より格下だと自己基準で判断したら上から目線で圧力をかけ、相手の尊厳を傷つける人です。わざわざ人前で説教や指導をしたり、相手のミスを指摘したり、脅しとも言えるような言動で自分の優位性を示したり相手に圧力をかけます。

役職や肩書きなどがつくと急に偉そうな態度に変わります。パワハラという言葉が世間に浸透しているにも関わらこのタイプのモンスターはいまだ根強く存在します。作業的には正常にこなす人も多くモンスターだと認定されづらい面もあります。

反抗型モンスター

とにかく反抗します。社内規則、上司、先輩からの指示、部署のルール等。自分の価値観が絶対で少しでも自分に不利になろうものなら徹底的に戦う姿勢を見せます。また、同僚にも激しく自己主張します。権利の主張が激しく、義務や責任とのバランスが完全に崩れています。

また、自分が少しでも有利になることに関しては、周囲に気づかれないようにしれっと過ごそうとします。その状況を壊すような人がいれば全力で止めようとしますし、その人を非難します。

不足型モンスター

仕事の能力が不足していて周囲に迷惑をかけます。同じミスを繰り返す、仕事がとにかく遅い、売り上げが上がらないなどとにかく成果が出ません。また、一般常識が不足していたり、社会人としてのマナーが不足している人もいます。この不足型のモンスターに共通して言えるのは本人に悪気はないという事です。

本人は一生懸命だったり、努力しているのに周囲に迷惑をかけたり、成果が出ない事が自分のせいだとは思っていない場合も多くあります。またこのタイプのモンスターは社会人における4つの自信(自分への自信、商品・サービスへの自信、組織への自信、職業への自信)全てにおいて不足しているのかもしれません。

モンスター社員がいると何故ダメなのか

モンスター社員がいるとあらゆる面で不利益が生じる可能性が高まります。具体的に見ていきましょう。

人が辞めていく

モンスター社員や部下がいると、有能な社員が悪影響を受けて会社が嫌になり退職してしまうこともあります。余計な業務が増えたり、人間関係が壊れたり心身への影響も少なくありません。有能は人は他社や他業種からも目をつけられていることも多いので、有能な人から辞めてモンスターや転職ができない人が残るなんてこともあり得ます。

モンスターの放置は会社にとってとても有害であると言えそうです。

利益が減少する

モンスターがチームにいるとチームワークは崩れ、モチベーションも作業効率も低下します。モンスターに嫌気がさして辞めていった人を補充し教育をするには経費がかかります。つまり間接的に業務悪化の原因となっているのです。

更には戦略の変更や人事異動など直ぐには結果を出せないような事象にまで悪影響を及ぼす可能性もあります。

他社や顧客にも不快感を与える

モンスター社員は社内のみならず他社や取引先、顧客にまで不快感を与える可能性があります。社会人としての常識や人としての在り方に問題が多いため、トラブルを引き起こしたり、取引に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。安心して接遇や営業、電話対応などを任せられません。

訴訟問題の可能性

自分ファーストのモンスター社員は自分が与えている不利益には無頓着ですが、自分が受けたと感じる不利益には狭い心で過剰なまでの反応を示します。会社や相手に都合の悪い情報や法律を持ち出し、ネチネチと攻撃しかねません。

しかも、問題が解決した後や退職後でも自分は被害者としていつまでも引きずる可能性もあります。そうなると会社としても不利益が増大してしまうので、しっかりと準備対策をとならければなりません。

採用時に見抜くのは難しい

モンスター社員をそもそも採用しなければ良いのですが、採用時に見抜くのはとても難しいでしょう。しかし、初めから諦めるのではなく完璧に防げないとしても対策はとりましょう。チェックポイントを何点かあげておきますので参考にして下さい。

  • 転職回数が多い人にはその理由を聞き出しその理由をチェック
  • 面接時やディスカッション時の反応や身だしなみ、言葉使い、気になるところや違和感を感じる言動はないかチェック
  • 口調や目線、手や足の動きなどの非言語コミュニケーションのチェック
  • 面接時に優秀アピール、有能アピールが過ぎないかチェック
  • 依存度が高くないか、責任転換が強くないかチェック
  • 採用までの連絡事項の返答は遅くないかをチェック
  • あらかじめ外注で採用予審など作成してもらい参考にする
  • 一般常識や性格・適正テストなどを行い多角的に判断する
  • 作業能力と個人の精神性や共感能力を別々に評価する公正な基準を作っておく

モンスターを閉じ込める

採用時にモンスターを見抜けなかったとしても、その人がモンスター行動を取らなければ大きな問題にはならないかもしれません。モンスターにはプライドが高い繊細さんも多く、人員確保も上司の役割のとして求められる場合には、この人はモンスターかもしれないと思っても辞めてしまわない様に上手く切り抜ける術を身につける事も必要です。また曖昧な対応がモンスター化を加速させる場合もあるので注意が必要です。

上司の対応

【第一段階】

  • 時代背景的に働き方の価値観が変わってきていることを認識する。「昇給」や「出世」よりも「プライベートの充実感」や「やりがいを感じる役割」を重要視する人が増えてきていて、仕事に対する価値観や人生観がそもそも違う可能性があることを受け入れる
  • 自社に問題点はないか検討し問題点があれば改善する
  • チームや組織として対策法をあらかじめ作成しておき皆で対応、教育していく社内環境を整えておく
  • モンスターが突いてきそうなところも含めて就業規則などを明確に公表し同意を得る。その際は規則を破った時の処分内容も明記しておく

【第二段階】

  • 問題行動が疑わしい場合には、冷静に第三者目線で話を聞きく。まずは内容に関わらず話を受け止めてる。その後に客観的な視点やデータ、証拠などを出して問題行動が確認できたら解決に道びく。今後取るべき具体的な行動や今後繰り返した場合の処分の内容も提示し警告しながら話を進める
  • 第三者を使うなど工夫しながらコミュニケーションをとる努力をする
  • 一人で抱え込まずに専門のカウンセラーなどに相談する
  • モンスターを過剰に刺激しないように認識の修正を促す
  • 放置しない

【第三段階】

  • モンスターを助長しないように諦めずに何度でも注意し、指導し、相談に乗る、話を聞く、認識の修正を促す、心理的な報酬を与える
  • モンスターとの摩擦が出来てしまうこと、自分が多少傷ついてしまうことを前提にその後の対応をしっかりと検討して上記の対応を繰り返す

【第四段階】

  • 配置転換や業務内容の変更を行う、促す
  • 解雇する

モンスター社員を産みやすい社風

モンスター社員は、もともとモンスター気質の人が時間の経過とともに本性を表すだけではなく、入社後にモンスターに変貌してしまう場合もあります。例えば。こんな社風の会社は要注意です。

  • 影響力がある立場の人が、すでにモンスターな会社。
  • 体育会系の様な絶対的なトップダウン組織。理不尽な厳しさが罷り通る会社。
  • 労働条件などの環境面がとにかく悪い会社。
  • 個人主義や成果主義が行きすぎてモラルが低下している会社。

このような会社は入社後にストレス加多でモンスターに変貌する恐れがあります。いずれの例えも今時では少ない古い社風と言えそうです。この場合にはモンスターにしてしまった会社側にも大きな原因があるので第三者の意見を参考にするなどの対策を講じましょう。職場の環境を整え、協力体制の強化など従業員の作業的、心理的負担を減らす努力をしましょう。

転職時には要注意です。転職時には解らず、入社して暫くしてから気づいたなんて事にならない様に出来るだけ事前調査をしましょう。

モンスター社員を解雇できるのか

モンスター社員は、放っておけば、会社にとって大きな損害を引き起こす可能性があります。どうしても手に負えないモンスターは解雇などの処置を取る場合もあります。

しかし、どのような酷い状況であろうと会社側から一方的に解雇することは不当な扱い、違法となってしまいます。その際は就業規則の定め等の手順を経て解雇することが必須となります。各段階で証拠として書面や画像を残しておきましょう。

解雇には2種類ありますが、いずれも裁判で必ず勝てる保証はなく、モンスターから訴えられる可能性もあります。裁判で不当解雇の判決が出たら会社としては、信用の下落、多額の賠償金など大きな損失を被るかもしれません。

「改善されなければ解雇します」という警告と観察期間の段階を経て、それでも改善されていないことを証明できる書面や画像まで提示できれば、企業がモンスターを解雇することも法的に認められる可能性は高くなります。

懲戒解雇

懲戒処分は文書や口頭で注意する戒告等の軽い処分から、減給・出勤停止・懲戒解雇といった重い処分まで幾つかの段階があります。 またどんなに酷い懲戒理由があろうとも直ぐに懲戒解雇を実施することは出来ません。初めは戒告などの軽めの処分を行い、それでも改善が見られなければ段階的に処分内容を重くして行きます。

懲戒解は横領などの不正行為や犯罪、経歴詐称、無断欠勤、〇〇ハラスメント等の重大な規律違反に対する制裁としての解雇です。懲戒解雇を行うときは、モンスターの規律違反を証明できる書面や画像を証拠として必ず用意しておきましょう。

普通解雇

社員の能力不足を理由とする解雇が普通解雇です。多くの場合はこちらになるでしょう。しかし明確に確実にモンスターの能力不足、能力欠如が証明できない限り、解雇されたモンスター社員からの訴えで裁判に発展しやすいので注意が必要です。普通解雇を行うときもモンスターの能力不足、能力の欠如により会社に不利益を及ぼしたという証拠を書面や画像で必ず用意しておきましょう。

まとめ

  • モンスター社員の傾向を知る
  • モンスター社員が会社に不利益な理由を知る
  • モンスター社員への対処法を知る
  • 自社の環境も整える

パワハラやセクハラ、モラハラに代表されるように、今までの会社の人間関係のストレスは立場の上の人から下の人に与えられるものが多くありました。

しかし、近年では時代の変化とともに、過保護に育てられた一部の若い人達、コミュニケーション機会の減少による対人適応能力の低下、合理性や成果主義という名の下に人間性や一般的な常識を軽視した業務評価制度などの影響もあり部下への対処で悩んでいる人がとても増えてきています。

上司や先輩への対策としてだけではなく部下や後輩への対策としてもモンスター対策は有効でしょう。また転職や配置転換の時も役立ちます。さらにモンスター対策と思ってしたことが、思わぬ利益を会社にもたらす場合もあるかもしれません。


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