車椅子ユーザー視点で考える!誰でも出来る3つのスモールステップ!

2021年10月31日

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今回は「車椅子ユーザーの視点」についてのお話しです。

皆様は、車椅子ユーザーの視点について考えた事があるでしょうか?車椅子ユーザーにどんな印象を持っているでしょうか?あなたのご家族やご友人に車椅子ユーザーの方はいますでしょうか?

車椅子ユーザーがどんな事に不安や不便さを感じているのかの確認していきたいと思います。

バリアフリーのおさらい

はじめにバリアフリーの意味をもう一度おさらいしておきましょう。バリアフリーとはバリア(障壁)フリー(無い)を合わせた言葉で、「高齢者や身体の不自由な人も含めた全ての人が、壁を感じることの無い参加しやすい社会を作って行きましょう」と言う考え方の事を言います。

言い換えれば「生活していく中での不便さ、様々な活動に参加していく中での障壁を無くしましょう」とも言えるでしょう。つまり、「誰もが自立し、生きがいを感じ、安心できる社会を目指しましょう」と言う事です。

バリアフリーという言葉は、もともとは建築用語として使われている言葉でしたが、現在では広く上記の意味で使われることが多くなってきました。

代表的な2つの大きなバリア(障壁)

車椅子ユーザーにとっての代表的な大きなバリア(障壁)は2つあります。

物理的なバリア

まず初めに思いつくのが物理的なバリアでしょう。

道路、建築物、公共施設、公共交通機関、自宅など車椅子ユーザーが移動するたびに直面する物理的なバリアの事を差します。

ガタガタした道路、道路にある放置物やゴミ、公道に飛び出しているお店の看板、滑りやすい廊下、狭いトイレ、下り坂や上り坂、ちょっとした段差や階段や玄関、電車とホームの隙間、車椅子に座ったままだと届かないボタンや高い位置にある商品、金銭投入口や決済画面、自転車やバイクの侵入を防ぐポール、エレベーター等あげればきりがありません。

ちなみに、エレベーターの中の鏡は車椅子でも方向転換せずに乗り降りしやすくする為に設置されているものです。

車椅子ユーザーではない人にとっては何でもないともう様な事が、車椅子ユーザーにとっては物理的障壁となっているものが沢山あるのです。

心理的なバリア

車椅子ユーザーに大きくのしかかる、車椅子ユーザーにならないと感じにくいのがこの心理的バリアでしょう。

車椅子ユーザーに対する無関心や無理解、差別的な態度を取られる、傷つくような事を言われる、偏見や哀れな存在だと決めつけてくる。ちょっと手伝ってほしいと言う事を言い出しにくい雰囲気や状況を作ってくる何て事もあるかもしれません。

困っている時にちょっと手伝って欲しいと思う事は誰にでもあるでしょう。車椅子ユーザーだから特別扱いされたいと望んでいると思いますか?甘えだと思いますか?子供用の車椅子とベビーカーは別物だと言う事を知らない人もいるのではないでしょうか?あなたの大切な人の車椅子が邪魔物扱いされたらどんな気持ちですか?

この様な心無い態度、接し方、思い違いは車椅子ユーザーに大きな精神的負担を与えている可能性があると考えてよいでしょう。

また、この2つの大きなバリア以外にも、社会的バリア、制度的バリア、文化的バリア、情報に関するバリアなどもあり、車椅子ユーザーは、日々様々なバリアと向き合って生活をしているのです。

車椅子ユーザーが困っていたらあなたはどうしますか?

もし目の前で車椅子ユーザーが困っていたら、あなたはどうしますか?素通りする事に抵抗を感じ、何か出来ないかと考える人がほとんどでしょう。本来、人間はこのような思いやりの心を持ち合わせているものです。しかし、全ての人が行動に移すとは限らないのも事実です。

なにも医療や福祉のお仕事をしていなくても、車椅子ユーザーになった事がなくても出来る事はあります。ここでは、今日から誰でも出来る3つのスモールステップをご紹介します。

車椅子ユーザーの立場で考える

1つ目は、少しでも車椅子ユーザーの気持ちになって考える事です。物凄く当たり前の事の様に聞こえますが、実際には自分の考えや思いで判断している場合が多い事に気付くでしょう。

まず「車椅子ユーザーだったらどうだろう?」「この人だったらどうだろう?」と自分目線を外して相手目線で一度考えてみる事です。

医療や福祉のお仕事をされている方でも、利用者の車椅子を見ただけだと推測の域を超えないと言います。相手目線で考える事の重要性をご理解いただけると思います。

間を開けてゆっくり歩く

道路交通法上、車椅子は電動の車椅子であっても「歩行者」とみなされます。つまり「歩行者」と同じ歩道や道路を移動する事になります。

車椅子に乗っていると、止まる、進む、バックする、方向転換する等は歩行者の様に思いのままには行きません。まして、車椅子の乗っていると視線は子供の高さになります。その横をいきよいよく走り過ぎ去られると恐怖すら感じると言います。

杖をついているご高齢者や乳母車を押しているお母様の横を通り過ぎる時と同様に、前方に車椅子ユーザーを見つけたら歩道や道路にゆとりがあれば少し間を開けて、ゆっくりと歩いて通り過ぎましょう。

ちょっした心がけで、皆が安全に快く過ごす事が可能となります。これが2つ目です。

声掛けをする

最後は、上記の2つより多少ハードルが高いと感じる人いるかもしれません。

目の前の車椅子ユーザーが困っている事に気付いたら、「私に何か出来る事はありますか?」「何かお困りでしょうか?」と声をかけましょう。「○○しましょうか?」と言う声掛けも良いのですが、こちらの思い込みで本当に困っている事とずれている場合もあります。「私に何か出来る事はありますか?」「何かお困りでしょうか?」の方がより親切と言えるでしょう。是非、この2つのフレーズは覚えておきましょう。

声掛けする際には、背後から大きな声で話しかけずに、視界に入る所から穏やかな口調で話しかけましょう。たとえ付き添いの人がいたとしても、まずはご本人にお声掛けしましょう

また、断ってくる車椅子ユーザーもいるかもしれませんが、自力で何とかしようと試行錯誤している、今は困っていない等何か理由があるかもしれませんので、ご本人の考え、思いを尊重しましょう。声掛けせずに困っている車椅子ユーザーを見過ごす可能性があったと考えれば、気にする事はありあません。

更に、車椅子ユーザーからのお願いでも、自分が出来ない事を引き受けるのは止めましょう。その際には正直に自分には出来ないと伝えて下さい。親切心がかえって車椅子ユーザーにとって不都合な結果になってしまう事もあります。あくまでも、自分が出来る範囲内でサポートする様に心がけましょう。

まとめ

  1. バリアフリーのおさらいをする
  2. 物理的バリアと心理的バリアを理解する
  3. 車椅子ユーザーの立場で考える
  4. 間を開けてゆっくりと歩く
  5. 声掛けをする

 

記事を読んで下さった方の中には、車椅子ユーザーを他人事の様に感じる人もいるかもしれません。しかし、生活していくのに恵ませた環境であっても、いつ自分が車椅子ユーザーになってもおかしくはないと言う事は、否定のしようがない事実だと思います。

この記事が、皆で思いやりを持ち、皆で少しだけ想像力を働かせて、皆が快適な生活を送れる社会を作り上げる小さなきっかけになってくれたら幸いです。

 

今回は「車椅子ユーザーの視点」についてのお話しでした。

 

 

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