伯爵もびっくり!カーディガンを一枚羽織る気温って?ニットと違うの?
今回は「カーディガン」についてのお話しです。
少し肌寒さを感じる季節の変わり目や、エアコンが強く効いてる職場やお店で季節に関係なく重宝する万能なアウターにカーディガンがあります。メンズ、レディース、年齢を問わず1枚持ってると何かと助かるアイテムです。
学校から職場まで、制服のひとつとして採用されていたりもするので、自分のクローゼットには持っていなくても、一度は着たことがあるという人が多いアイテムの一つでしょう。
カーディガンの由来とその歴史
この名称は、19世紀に実在した人物の名前に由来するとされています。1853~56年に起きたクリミア戦争で、イギリス陸軍で軽騎兵旅団長であった伯爵がセーターの前面をボタンで留められる前開きにして軍服の上から重ね着できるようにしたことが始まりです。負傷した人でも着やすい様にと思いやりから生まれた上着なのです。
実際にこの上着が伯爵の名にちなんでカーディガンと呼ばれるようになったのは、彼がなくなった1968年です。和暦では明治元年になります。その後、産業革命を迎え織物を生産する技術や能力が機械の登場で飛躍的に上昇し、このアウターは世界中の人たちに親しまれるようになったのです。
特に19~20世紀にアイビールックには欠かせないファッションアイテムになりました。世界的に有名な大学で構成されるアイビーリーグの選手たちが着用していたことから人気になったのです。このアイビールックが学校の制服にカーディガンを合わせるというスタイルに影響を与えていったのでしょう。
ニットとは違うの?
アウターのひとつに「ニット」があります。カーディガンはニットなのでしょうか?
ニットは素材のこと
このニットという言葉は、編み物全般を指してよく使われています。しかしながら、ニットとは生地の呼び名です。つまり素材を意味する言葉であって、衣類の名称を指すものではありません。
毛糸の帽子やマフラー、手袋、靴下などを総称してニットと呼ばれることは珍しくありません。また、たいていの人は、会話の流れ中でニットという言葉が出てきても、それが素材を意味しているのか衣類そのものを指しているのか気にして聞くことは少ないでしょう。
ニットには種類がある
ニットとは、1本の糸で輪を作って編みこまれている生地です。そして使われる糸の材料によって分類されます。大きく分けて動物性の糸と植物性の糸、さらに化学繊維と分類することができます。
動物性の糸の中には、ウールやアンゴラ、カシミヤそしてアルパカもあります。そして、植物性の糸の代表は綿です。化学繊維については、ナイロンやレーヨン、アクリルがあります。それぞれ、風合いや肌触り、発色の具合や重さなど様々な違いがあり、同じニットの衣類でもその糸の素材によって雰囲気が大きく異なります。
セーターとは似て非なるもの
寒さ対策で活躍してくれる定番の衣類のひとつはセーターです。このセーターとカーディガンの違いを見ていきましょう。
セーターは頭からかぶって着る
セーターとは、一本の糸をループ状に編み込んだ生地であるニットを使って作られているプルオーバータイプの衣類です。プルオーバーとは、前や後ろにボタンや開きがなく頭からスッポリかぶって着る衣服のことを表します。
厳密に言えば、セーターは衣服の種類を指していて、プルオーバーは衣服の形状を表す語ですが、セーターを指してプルオーバーという言葉が広く使われています。よって、ニット素材のプルオーバータイプの服はすべてセーターということになります。
同じニットでもカーディガンとは別物
ハイネックやボートネック、クルーネックにVネックと襟周りの異なるデザインや袖の長さも様々です。レディース用では袖なしセーターも存在します。
そして、カーディガンに関しては、素材はセーターと同じニットを使用しているものが多くあるものの、その形状が大きく異なるのでセーターとは似て非なるファッションアイテムです。セーターのように頭からスッポリ被って着用する衣類ではなく、前面がボタンで留める前開きでジャケットタイプの形状だからです。
カーディガン一枚羽織る気温って何度位?
出かける前に天気予報を見て最高気温や最低気温を確認して、その日の服をコーディネートをする人は少なくないでしょう。家を出る時と帰ってくる時の温度差やエアコンが効いた職場の温度を気にしたり、ちょっと肌寒くなりそうなときにカーディガンは重宝するアイテムです。
ファッションコーデに活躍する衣類として便利なものの、実際にカーディガン一枚羽織るって何度位?と悩むこともあるでしょう。
天気予報を見て、最高気温が20度くらいになりそうな日に、シャツを着て出かけて、ちょっとした温度調節ができるように一枚持っていくと良いです。20度以上になりそうな日に着るのは汗ばむでしょうし、見た目も暑苦しさが出るのでお勧めできません。
また、15度くらいの日には少し物足りなく肌寒さを感じるでしょう。よって、最高気温が20度前後になりそうな寒暖差のある季節にカーディガンはピッタリなファッションアイテムと言えます。
まとめ
- カーディガンは思いやりから生まれた
- カーディガンはセーターを前開きにしたのが始まり
- ニットは生地の呼び名
- セーターは頭からかぶるタイプの衣服
- 最高気温が20度前後の時にピッタリなアイテム
今回は「カーディガン」についてのお話しでした。
時代の流れとともに身近なファッションアイテムになっていく中で、その言葉の意味が広がって実際にはそうでないものを指して呼ばれることも珍しくなくなっています。とは言えとても便利なアイテムですので、体調管理やファッションにカーディガンを上手く取り入れていきたいものです。