土用丑の日!うなぎの秘伝のタレはなぜ継ぎ足しても腐らないのか?

2024年5月6日

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今回は「土用丑の日と秘伝のたれについてのお話しです。

「土用丑の日」と見聞きすると、本格的な夏の訪れを感じるとともに、暑い日に食べるうなぎに想いを馳せる人もいるでしょう。

日本の夏の風物詩ともいえる土用の丑の日ですが、土用とはなにか、なぜうなぎを食べるようになったのかをご存知でしょうか?その理由を探ってみましょう。

土用って何?

古代中国からの自然哲学の思想に、五行陰陽説という考え方があります。

「この世に存在するもの全て、木・火・土・金・水(もく・か・ど・こん・すい)の元素からなる」という考え方です。この5つの元素に季節を当てはめ、木は春、火は夏、金は秋、水は冬、そして残る土は全ての季節の変わり目の時期、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの直前18~19日間に土用として配されました。

土用と聞くと夏を思い浮かべますが、全ての季節の境目にある季節の移行期間ともいえるでしょう。

丑の日は?

次に丑の日とは、十二支による日付です。現在では年を表す干支として知られますが、昔の日本ではこれに十干という要素を組み合わせて60周期とし、暦のみならず時間や方位にも用いられていました。この2つを組み合わせて、土用の時期の丑の日が、土用丑の日となります。日本古来の時節の表現とから来ています。

うなぎを食べるようになったのはなぜ?

うなぎを食べるようになった起源には諸説あります。最も有名な起源説は、江戸時代の平賀源内という蘭学者による説です。

元々江戸時代には、丑の日に「う」の付く食べ物を食べれば精が付き、無病息災を祈るという風習がありました。梅、きゅうり、うどん、牛肉など「う」のつく食べ物が好んで食べられる中、特にうなぎは、万葉集の和歌にまで健康にいいとあるため古くから言い伝えられていたようです。

その和歌が土用の丑の頃を指すことから、平賀源内は知人の鰻屋の店頭に「本日、土用丑の日」と貼ったところ、店は大繁盛。それを他の鰻屋もまねはじめ、土用の丑の日にうなぎを食べるようになった、といわれています。

継ぎ足し続けた秘伝のたれが腐らない理由は?

日本全国うなぎの名店は多くありますが、名店ほどたれが美味しいといわれます。多くが継ぎ足し続けた秘伝のたれに、焼いたうなぎを入れることで燻製の香りも移り、店独自の味へと変化していくのですが、継ぎ足しの秘伝のたれが腐らない理由はいくつかあります。

常に低温殺菌がされている状態にあること

うなぎを焼く時は、たれの入った容器の中に焼いたばかりのうなぎをつけ、また返して焼く工程を繰り返しています。この焼きたてのうなぎをたれの中に入れることで、容器内のたれの温度は上がります。熱々のうなぎを何度もつけたたれの温度は約65度前後で保たれることになり、菌の繁殖が抑えられる低温殺菌の状態になります。

すなわち、秘伝のたれはうなぎを焼いている間、常に低温での殺菌が行われている状況になるのです。また低温殺菌だけでなく、定期的に火にかけて加熱殺菌を行う火入れの作業を行うお店もあります。

塩分や糖分が高いため保存に最適

多くの鰻屋のたれは酒、みりん、醤油、砂糖などで作られています。醤油などに含まれる塩分や砂糖などは菌が繁殖しづらい環境を作ります。つまり、たれ自体がきちんと管理されていれば、ジャムや漬物のような保存食なみに元々腐りにくい性質を持っているのです。

継ぎ足し続けることで中身が入れ替わっている

継ぎ足しのたれを毎日使用し、同量を継ぎ足すように仮定して計算すると、1年後に残っている量はごく微量であるという報告があります。

つまり創業100年以上の老舗うなぎ店でも、たれ自体はきちんと衛生管理されていれば一定期間で腐る間もなくある程度入れ替わっていると言えるでしょう。

ではなぜ継ぎ足すのかというと、その店の味を保つためです。こだわりの配合を行ったたれに、焼きたてのうなぎがつけられることで、風味や炭の香りなどがたれにうつりその店の味が生まれ受け継がれていくのです。

何度もたれを継ぎ足しても食中毒が出ていないと言う事は、衛生管理がしっかりされているという証拠でもあります。きちんと衛生管理がなされ、頻繁にうなぎがつけこまれることであの美味しいうなぎの蒲焼きの、秘伝のたれの味が生まれます。

ウナギのたれ、天丼のたれ、焼き鳥のたれなど毎日使う専門店ではないと長期間の管理は難しいので、自宅で自家製秘伝のたれを作った時は早めに使い切るのが無難です。

東西で蒲焼に違いができた

うなぎ料理の定番、蒲焼は東西で少しずつ作り方も秘伝のたれの味も違います。

西の方

頭も尾もついたうなぎに金串で串打ちをします。濃いめのたれを1度だけつけて、腹開きで脂を利用しながらじっくりと焼きあげるため身はふっくら皮はパリッとした食感になります。

東の方

頭を切り落としたうなぎに竹の串で串打ちをします。何度もたれをつけながら焼き上げていきます。背開きで一度白蒸しという工程を経て焼きに入るため、身はふっくら皮は柔らかな食感になります。そのため東の方のたれは比較的さっぱりした傾向にあるそうです。

また背開きの理由も、江戸は武士の社会であり、腹開きは切腹を彷彿するため嫌がられたからと言われています。うなぎにまつわる歴史を感じさせる逸話の一つです。

夏のパワーフード

栄養の面から見ても、夏の土用丑の日の時期にうなぎを食べることは理にかなっています。うなぎには疲労回復に効果が見込めるビタミンB1や骨を丈夫にするカルシウム等のビタミン・ミネラル類が多く含まれています。

更に脂質の部分には、人の体内では作られない必須脂肪酸のDHAやEPA等も豊富に含まれているため夏の疲れた時期にはぴったりの食材です。

当時、まだ科学で証明できていない事を先人達は体感で得ていたのかもしれません。

まとめ

  • 土用丑の日は日本古来の時節の表現
  • うなぎを食べるようになった理由は諸説ある
  • 継ぎ足したたれが腐らないには理由がある
  • 蒲焼は東西で違う
  • 夏のパワーフード

栄養豊富なウナギは夏の疲れが出てくる時期以外にも取り入れたい食材です。美容効果も期待できるので、女性の方は定期的にメニューに取り入れるのも良いでしょう。秘伝のたれで美味しくウナギをいただいて、健康と美をサポートしましょう。

今回は「土用丑の日と秘伝のたれについてのお話しでした。

 

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