石鹸とボディソープ・ハンドソープの違いって何?目から鱗の奥深い世界!

2021年12月6日

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今回は「石鹸とボディソープ・ハンドソープ」についてのお話しです。

普段何気なく使っている石鹸ですが、紀元前に見つかって以来使われてきた昔ながらの石けんだけでなく、ボディソープや台所用洗剤など、現在では使用用途に応じた様々な石鹸が生まれています。奥深い石鹸の世界をご存知でしょうか?

石鹸、石けん、せっけん、セッケン、ソープどの表記が正しい?

呼び方は全ておなじ「せっけん」で、英語では全て「ソープ」と表記される石けんですが、その表記は様々あります。

JIS規格(日本工業規格)においては「石けん」と表記されます。これは「鹸」の字が常用漢字ではないためで、多くの製品表示にはこの「石けん」という表記が使用されています。

次に化学等の専門分野においては、界面活性剤を「セッケン」、製品を「せっけん」と表記する決まりとなっています。

出版業界においては特別な決まりはないものの、表記上の傾向として漢字とひらがなの併用表記を避けるために「石鹸」「せっけん」とどちらかの表記になる事が多いようです。

おなじ「せっけん」という音でも、これだけ表現が変わってくる日本語の表現の多さには驚かされます。

石鹸と合成洗剤の長所と短所は?

現在では多くの種類や形状の製品があるせっけんですが、原料や製法、成分の面から見ると、大きく2つの種類に分かれます。「石鹸」と「合成洗剤」です。

石鹸の長所

「石鹸」は天然油脂もしくは脂肪酸を原料とし、苛性ソーダや苛性カリと反応を起こすことで作られます。できた石けんの成分はアルカリ性で、石けん素地やカリ石けん分、純石けん分(脂肪酸ナトリウム)となっており、製品表記もそのままこの成分名が書かれます。

これらの石鹸の成分はすすぎやすい特徴があります。仮に皮脂に残ったとしても、皮脂は酸性のため中和されやすく、また水分が増えれば薄まるためそれ以上成分が働くことはありません。

このため赤ちゃんや敏感肌、ペットなどに勧められることが多いようです。成分の分解も速いため、自然環境に流出したとしても負荷を与えづらくなっています。

石鹸の短所

短所もあります。石鹸は水を選び、硬水ではほぼ泡立つことはありません。中和されやすい長所はデメリットにもなり、油汚れへの中和が早いなどのクセがあることから、うまく使いこなすまでにコツが必要になってきます。

またアルカリ性のため、目に入るなど皮膚への刺激は強く感じやすくなります。

固形の石鹸は比較的見かけますが、現在日本で一般的に売られているものは合成洗剤が多く、特に液状の石鹸は種類が少ないこともあり、あまり見かけることがないのも短所の一つといえるでしょう。

合成洗剤とは?

「合成洗剤」が開発されたのは第一次大戦中のドイツにて、石けんの原料である油脂が手に入りづらくなったことで、石油を原料としたせっけんが生まれました。石油から界面活性剤の原料を作りだし、化学的な合成を経てできた合成界面活性剤に、様々な原料を添加して合成洗剤が出来上がります。

合成洗剤の長所

使いやすさを追求して次々と開発されているため、多くの合成洗剤は水の硬度や油汚れの度合いによって、その働きが左右されることはありません。また中性に調整できるため、素肌に優しく作ることもできます。

現在ではその使いやすさから、多くの会社が作っているため、どこに行っても簡単に手に入りやすいという長所があります。

合成洗剤の短所

ただし石鹸に比べるとすすぎづらく、中性であっても合成成分のため、肌に残ると刺激になりかねません。

また自然環境には存在することのない合成された成分のため、成分の分解速度が遅いのも短所の一つです。

最近では天然の植物由来をうたうものも多くありますが、原料は天然油脂でも合成が複雑に行われ、自然界にはありえない合成成分でできた界面活性剤が最終的にはできあがります。

ボディソープとハンドソープの違い

同じ体を洗う目的にもかかわらず、ボディソープとハンドソープに分かれている商品が多いですがこの違いは何でしょうか。

皮脂を洗うことを目的に作られているのは同じですが、ボディソープは乾燥防止や保湿を目的としている一方、ハンドソープは殺菌や滅菌、抗菌作用を目的として作られていることがほとんどです。

更に厚生労働省の規格に沿って抗菌・殺菌の成分を入れることで、それらの目的に特化した製品を作り、薬用と表記することができます。

ハンドソープがなくなった際に、薬用ボディソープと書かれたものであれば、殺菌成分などが含まれているのでハンドソープの代用として使えます。逆にハンドソープをボディソープとして代用することは、洗浄力が強すぎて肌を痛めてしまう可能性があるのでおすすめできません。

なお石鹸の製品には、ひとつの石鹸であらゆるものに使えるという商品も多く見かけます。色々考えるのが面倒くさい人には、石鹸ひとつで全てをまかなってしまうのも良いでしょう。

使用期限はあるの?

石鹸やボディソープなどの使用期限の目安は、未開封の物で3年、無添加の未開封の物は2年。開封後は1年です。使用期限が表記されているものもあります。

あくまでも目安ですので開封後は早めに使い切るのが確実です。期限が切れているものはお肌トラブルの原因にもなりかねません。食品と一緒で保存状態や五感も使って確認すると良いでしょう。

意外な利用法

ボディソープ(ハンドソープ)の意外な利用法をご紹介します。

曇り止め

現在売られているボディソープ(ハンドソープ)は合成洗剤のものが多いため、すすぎづらいという短所を生かして少量を鏡の表面に塗ることで、お風呂や洗面所のくもり防止に使えます。

油汚れ落とし

石鹸は身体を洗うだけではなく、食器や換気扇、ガスコンロの周辺など油汚れ落としにも使う事が出来ます。

アロマ替わり

また石鹸は香りが良い物が多く、ちょっとした芳香剤やアロマ替わりにもなります。石鹸は熱を加えると柔らかくなりますので、子供の工作としてオリジナルの芳香剤を作ってみるのも良いでしょう。

まとめ

  • 石鹸にも合成洗剤にも長所と短所がある
  • ボディソープとハンドソープでは使用目的が違う
  • 使用期限の目安がある
  • 身体を洗う以外にも使える

昨今では様々なこだわりのある商品が発売されています。毎日使うものですので身体のパーツや体調や気分、お肌の状態に合わせて使い分けてみるのも良いでしょう。自分にあう石鹸、ボディソープ・ハンドソープを楽しみながら探してみてください。

今回は「石鹸とボディソープ・ハンドソープ」についてのお話しでした。

 

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