小型船舶免許の難易度は高くない!必要なのは〇〇〇だけ?

2020年8月5日

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今回は「小型船舶免許」についてのお話しです。
船舶を操縦するためには国土交通大臣が行う国家試験に合格して免許を取得しなければなりません。船舶と聞くと敷居が高く感じたり、お金持ちしか乗れないといったイメージを持っている方もいるのではないでしょうか?実はそんなことはないのです。

小型船舶免許の種類

ボートなどの小型船舶の場合には3種類の免許が用意されており、小型船舶免許とはこれらをまとめた総称です。ですから、取得を目指す場合には自分が操縦したい船舶の種類に合わせて選ぶことになります。

特殊小型船舶操縦士

まず、少し特殊な部類に入るのが特殊小型船舶操縦士の免許です。これはおもに水上オートバイのために用意されたもので、沿岸から2海里、つまり3.7キロメートル程度の距離まで認められています。

水上オートバイを船舶とは考えない人も多いかもしれませんが、他の小型船舶免許では水上オートバイを操縦することはできないので注意が必要です。

小回りも効き、スピード感も味わえるので若者にも人気の免許です。学校によりますが、5万円台から1日での取得も可能です。あくまでも目安ですので必ず確認してください。

二級小型船舶操縦士

一般的な小型船舶を操縦したい場合には、まず二級小型船舶操縦士の免許が必要です。20トン未満の小型船舶で沿岸から5海里(約9.3キロメートル)の範囲内での操縦が可能な免許です。いわゆるプレジャーボートの場合は24メートル未満の船舶が該当します。

海釣りをしたり、ちょっとしたクルージングなど一般的なボート遊びに最適な免許で三種類の免許の中で一番人気の免許です。

また、二級小型船舶操縦士湖川小出力限定免許という免許もあります。湖や川および指定された区域に限定して釣りやボート遊びなどを楽しむのに適した船舶免許で、二級小型船舶操縦士免許より簡単に取得できます。湖でバスフィッシングする時などに使うボートのイメージです。

学校によりますが、二級小型船舶操縦士湖川小出力限定は5万円台から1日での取得も可能です。二級小型船舶操縦士は8万円台から2日での取得が可能です。あくまでも目安ですので必ず確認してください。

一級小型船舶操縦士

そして、操縦できる区域(航行区域)の制限がなくなるのが一級小型船舶操縦士。小型船舶を操縦したい場合には最終的にこの免許の取得を目指すことになるでしょう。二級と同じく20トン未満、プレジャーボートの場合は24メートル未満の船舶が対象で、すべての水域での航行が可能です。

トローリングといった外洋フィッシングなどをする方が取得している免許です。最終的に目指す人が多い免許です。

学校によりますが、10万円台から3日での取得が可能です。あくまでも目安ですので必ず確認してください。

更新と操縦可能距離

なお、免許の有効期限は5年間に設定されていますので、自動車免許と同じ様に5年後には更新が必要です。

また、操縦できる距離は免許によって海岸から~海里と決まっていますが、これは免許による制限となります。これとは別に船舶自体に、この船舶ではここまで操縦できるという距離の登録もありますので、操縦時には免許と船舶の登録の両方の操縦距離を確認する必要が出てきます。

受験資格は?

注意したいのが受験資格です。それほど厳しい条件はありませんが、身体的な面で条件が課せられており、それをクリアしていないと取得することができません。

年齢

まず、年齢は特殊船舶操縦士、二級船舶操縦士・二級小型船舶操縦士湖川小出力限定免許いずれも満16歳からとなっています。それに対して、一級船舶操縦士は満18歳から。オートバイや車の免許とそれほど大きな差はないと見てよいのでしょう。なお教習所に通う際にはそれぞれの満年齢の3か月前から可能です。

身体検査

身体の基準は、まず視力が両目とも0.5以上、矯正も可能です。一方の目の視力が0.5以下の場合には、もう一方が0.5以上であるうえに視野が左右で150度以上あることが求められます。

船舶の操縦では夜間に灯火の色を識別できることが必須なので、航行標識の彩色が識別できる色覚が求められます。ほかには5メートル以上の距離で話声が聞き取れる聴覚も必要です。

また、免許を新規に取得する場合には身体検査証明書が必要となります。病院で身体検査をしてもらうともらえます。病院によりますが3000円~5000円前後が目安です。

学科教習の内容は?実技試験は何をやる?

免許取得のための教習では学科・実技の2種類が用意されており、それぞれ専門的な知識や技能が求められます。

学科試験

学科試験は基本的な遵守事項や交通の方法などを学ぶ「一般学科」と、エンジンの保守整備などを学ぶ「上級学科」、実際に操縦させながら学ぶ「特殊学科」に分けられます。

実技試験

気になるのは特殊試験でしょう。小型船舶を扱う二級・一級の資格の場合には、エンジンの点検や始動・停止、ロープワーク、トラブルシューティングといった実際の取り扱い、離着岸や人命救助などの応用操縦、停戦、後進、蛇行などの基本操縦などが行われます。

注意したいのは単に技能を問われるだけでなく、教官からこれまで学んできたことを確認するため口頭で質問を受けることがある点です。ですから学科で学んだことをしっかり頭に入れたうえで実技に望むことになります。

試験の難易度

船舶を操縦するくらいですから試験の難易度は非常に高そうな印象もありますが、合格率に関しては二級・一級ともに95パーセント前後と、非常に高い水準となっています。もともとこの免許の取得を目指す人はやる気があるのでしっかり準備をすることが多く、ほとんどの人が合格できるのが理由と言われています。

ですから「難易度はそこそこ高いけれども合格へのハードルはそれほど高くない」というのが小型船舶免許の特徴と言えそうです。

独学か学校か?

免許を取得するためには大きく分けて2つの手段があります。

認定校で学ぶ

初めて小型船舶免許に挑戦する人は、国土交通省認定の国土交通省登録小型船舶教習所で学ぶのが一番確実かもしれません。まったく船舶についての知識がない人が免許を取得しようと思った場合には、聞いたことがない専門用語などもたくさん出てくるので細かいことを講師に質問することができる学校は魅力的です。

認定校の最大の特徴は、学科も実技も法律に沿ったカリキュラムがあり、このカリキュラムを終了し、認定校で国家試験と同様の内容の終了審査に合格すれば改めて国家試験を受けなくても船舶の免許が取得出来ることです。自動車免許で言うと教習所で実技と学科の試験に合格すれば免許が発行される様なイメージです。

終了試験に合格すれば、その後の手続きは学校がやってくれるので、免許が郵送されるのを待っていればOKです。

学科試験、実技試験いずれかに不合格してしまった場合でも補修を受ければ再度終了試験に挑戦できます。再受験は受験手数料のみ、期限の有無など学校によって変わりますので必ず確認しておきましょう。なお、身体検査の有効期間は1年となります。

 

認定校以外で学ぶ

学校で知識や操縦技術を学んで、その後に個人で国家試験を受けて合格すれば免許が取得できます。塾や予備校の様なイメージです。

こちらは法定カリキュラムに必ず沿うとは限らないので、授業時間や内容は学校によって変わってきます。学校で実際にボートなどを使って講習を受け、学科は独学と言う事も可能となります。

国家試験の受験料は自費となり、万が一国家試験に不合格になった場合は、再度国家試験に受験申し込みをすれば、再受験できます。再受験の際には再度受験料を自分で支払う事になります。

学科を独学にして実技のみを学校で受講した場合は、認定校の料金よりも安価で取得可能となります。学科を独学でじっくりと時間をかけてから実技を受講する等、時間の調整が出来る様になります。こちらも、学校によって異なりますので必ず確認してください。

学校を決める

認定校でも認定校以外でも必ず複数の学校を比べてみましょう。確実に合格を目指すのか、費用重視でいくのか、通いやすさ、日数、急に休む時、不合格になってしまった時などインターネットでもパンフレットでも良いのでキッチリ詳細まで確認してください。

また学校と行っても規模も大小さまざまで学校によって雰囲気は大分変わります。可能であれば一度足を運んで説明を聞いてみる事を強くおすすめします。

なお合宿コース、オンライン受講、出張講習が可能な学校もあります。

まとめ

  • 小型船舶の種類を知る
  • 受験資格と試験内容の確認
  • 学び方を決める
  • 学校を決める

しっかり準備さえしておけば誰でも取得できるのが小型船舶免許です。自動車の普通免許を持っている方ならほぼ間違いなく取得できる資格です。興味があればチャレンジする価値は十分にあるでしょう。

今回は「小型船舶免許」についてのお話しでした。

 

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