信号機の素朴な疑問!ドライバーなら知っておきたい豆知識!
普段何気なく見ている信号ですが、信号のおかげで交通整理がスムーズに行われ、事故や渋滞を減らし人々の命を守っていることもあり、私たちの生活になくてはならない大事なシステムとなっています。
しかし、そもそも信号はいつから使われているのか、3色の理由など、信号機について詳しく知っている人は多くはないでしょう。そんな素朴な疑問に回答していきます。
信号の歴史
今では当たり前になった信号にはどんな歴史があるのでしょうか。
馬車の交通整理
ニューヨークやパリ、ロンドンなどの大都市では、産業革命がイギリスで始まってからすぐ、1920年頃から自動車が街の通りを往来するようになりました。そこで、警察官による手信号の交通整理より明らかに効率的で安全管理効果の高い信号機が普及していきました。
ただ、信号機システムに関しては、もう少し以前から実用化されていました。ロンドンでは、1860年頃に馬車の交通整理を目的に交差点に設置されています。
産業革命によって富裕層が一気に拡大すると、貴族や資産家だけではなく、事業に成功した会社の社長なども馬車で移動するようになったのです。通りは馬車であふれかえり、あちこちで事故を起こすようになりました。この事故防止のために考案されたのが信号機システムなのです。
最初は2色のガス灯
最初は青と赤の2色灯で、当時はガスで明かりを灯していました。システムとしては大変優れていたものの、ガスを灯し続けるのはとても危険で、ガス爆発の事故も頻発しました。その対策として、当時家庭でも使われ始めていた電気を利用し、安全で視認性の高い信号機が開発されたのです。
現在の青・黄・赤の3色灯が採用されたのは、車産業のメッカ、デトロイトです。従来の青・赤の信号では、信号の切り替わりのタイミングで事故が起こってしまう欠点がありました。そこで中間に黄色を挟むことで、交差点への侵入を全面ストップさせる時間帯を作ったのです。これによって各段に事故が減少しています。
日比谷の交差点が初
日本で初めて信号機が設置されたのは、東京都・日比谷の交差点とされています。 当時のドライバーはもちろん、自転車に乗る人も歩行者も信号の意味が分からずに、うまく機能していませんでした。そこで政府は交通ルールの普及に力を入れていったのです。
なぜ緑・黄・赤の3色なのか?
信号の色は、ISO(国際標準化機構)が定めた国際基準をもとに、CIE(国際照明委員会)が定めた赤・緑・黄・白・青の5色とされており、交通信号には基本的に緑・黄・赤を割当て、航空の信号には白・青を割当てています。
この交通信号の3色は色の3原色で、人にとって視認性が最も高い色合わせです。つまり、3つの色をカンタンに識別できる見やすい信号機だということです。
例えば、青・緑・紫の信号だとしたらどうでしょうか?サッと見たときに色を見まちがえてしまう危険があります。誰の目にもはっきりと識別できる色の組み合わせでないと、激しい交通量の交差点では整理がつけられないのです。
また、いつも晴れているわけではなく、雨や霧などの悪条件でもハッキリ見えるようにとこの3色が決められています。なお緑は安全をイメージし、黄色は注意を想像させる色、そして赤は禁止を連想させる色であることも重要です。
横並びの理由とは?
信号の役割として、最も大切なのが走行を停めることです。つまり赤色は、どんな条件下でもドライバーにしっかりと確認させる必要があります。
そのために信号機を横向きにして、できるだけ信号機が道路の中央寄りになるように配置してあります。そして赤色を信号機の右側に置くことで、ドライバーが最も見やすい位置で点灯させる工夫もしています。これにより、看板が多い場所でも、たとえ街路樹の枝葉が道路内に伸びてきても、内側にある赤色は最も隠れ難くなるのです。
また、縦型の信号機の場合、3色の車両用信号機、2色の歩行者用信号機のいずれも、一番上の色が赤色と法令で定められています。世界的には圧倒的に縦型信号機が主流となっていて、アメリカ、EU諸国、中国などでは縦型信号機が使われています。アメリカで縦型が使われている理由として、ハリケーンによる被害を受けにくくするためとも言われています。
ちなみに、日本で初めて設置された信号機は、横型ではなく縦型でした。初めて横型信号機が設置されたのは、京都の交差点とされています。
日本で緑信号を青信号と呼ぶのはなぜか?
緑信号を「青信号」というのは日本だけです。アメリカでもヨーロッパでも光の色のとおりにグリーンと呼んでいます。なぜ日本では青と言い切っているのでしょうか。
これには諸説ありますが、まず日本では昔から緑色のことを青と呼んでいたことが理由としてあります。青虫とか青葉とか青菜など、明らかに緑色のモノをワザワザ青と呼んでいるのです。
この風習があるため、多くの人が信号機の緑色を青と呼んだとされています。そして、信号機が初めて日本に設置されたとのニュースが新聞などで報じられましたが、この時に青信号と表記されたこともあるのです。
信号が変わるタイミングが場所ごとで違う理由は?
「あそこの信号は長いからイヤだ」と話をするドライバーはたくさんいます。同じ信号なのに変わるタイミングが長かったり、短かったりするのはなぜかと思う人も多いでしょう。
信号機の変わるタイミングのことを「現示」と言いますが、これは各都道府県の公安委員会でセット時間を計算し、それぞれ独自のタイミングで調整しています。
信号機にはプログラム多段制御システムが採用されており、点灯時間を自由に設定できる機能がついているのです。よって、交差点の流れがスムーズになるように、交通量や左折通行の状態を見て点灯時間が決められているのです。
薄型のLED信号機
最近よく見かけるようになってきた薄型のLED信号機。視認性を高める為に付いていた日指しをなくし、少し前傾に取り付けられている薄型の信号機です。ドライバーからは、普段の通行時にも見やすいと評判の様です。
この薄型のLED信号機は、もともと自然災害による影響を軽減させる目的で、台風や雷、積雪が多い地域に多く設置されました。しかし、近年の自然環境の変化に伴い今まで自然災害による影響が少なかった地域にも設置されていくとみられています。
まとめ
- 信号機の歴史を知る
- 3色には理由がある
- 横並びには理由がある
- 緑を青と呼ぶ日本の文化がある
- 変わるタイミングはプログラムされている
- 今後、薄型のLED信号機が全国的に普及しそう
交通信号機は、交通信号よりもさらに歴史の古い鉄道信号を参考に作られたといわれています。普段なにぎげなく目にする信号機も、度重なる研究を重ね日々進化しているです。
今回は「信号機」についてのお話しでした。