クラゲの性質!発生時期や生息場所を海に行く前に絶対に確認しよう!
今回は「クラゲ対策」についてのお話しです。
普段はサラダでしかクラゲにお目にかからないという方も、海水浴に行った時に家族や友人を守るためにもクラゲについての基礎知識を確認しておきましょう。
クラゲの性質とは?
クラゲという生物は、小さなものから大きなものまで多種多様です。日本近郊には大きさが2メートルを超えるエチゼンクラゲなどもいます。頭の部分についている傘を開閉させながらゆったりと泳いでおり、基本的に水の流れに逆らって泳ぐことができません。
刺胞動物で毒を持った触手があり、何かに触れるとエサだと認識し、反射的に毒を注射するというのが主なクラゲの性質です。
全般的にクラゲには毒があります。スズメバチに刺された時と同様、クラゲに一度刺されると体内に抗体が作られ、2回目に刺されると抗体によってアナフィラキシー反応と呼ばれる激しいアレルギー反応を起こすリスクが高くなります。
クラゲの発生時期はいつ?
クラゲの発生時期は、クラゲの種類や地域によって多少の差異はあるものの、基本的には夏を中心に発生します。クラゲはプランクトンの一種なので、水温が高くなる時期に合わせて発生するのが特徴の一つです。
一般的には海水浴のシーズンが終わったお盆明けに発生しやすいと言われています。この時期には水温の上昇に加えて、クラゲが子供から大人へ成長する時期に当たるので、クラゲの数が急激に増えたという印象を受けるのです。
またアカクラゲは11月から翌年5月が主な発生時期となり、日本の近海のどこでも発生する可能性があります。つまり、日本の海には一年中何かしらのクラゲがいると言う事です。
クラゲの生息場所は?
クラゲの発生場所は多種多様です。海水浴場付近の浅瀬だけでなく、深さがある沖合にもいます。大半のクラゲは海で発生します。
ただし、湖に発生するクラゲも少数ながら観測されています。クラゲは水の流れに逆らって泳ぐことができないので、常時水が流れている川には発生しません。
クラゲはプランクトンなので、多くは海の中でも浅い部分に生息しています。そのため、スノーケリングやサーフィン、あるいは海水浴などをしている時に遭遇することが多いのです。
一方、スキューバダイビングなどで深い部分に行くと、遭遇する確率はかなり低くなります。
事前対策は?
海水浴やサーフィンを楽しんでいる人はクラゲに遭遇するリスクが常にあります。刺されてしまうとアナフィラキシーショックを起こす可能性がありますから、できるだけ事前対策をして刺されるリスクを最小限に抑えることが重要です。
肌の露出を抑える
具体的な対策方法としては、ウェットスーツやラッシュガードを着て、肌の露出を抑えるという点があります。夏の炎天下でウェットスーツなどを着込むのはやや大変でしょう。とはいえ、安全にサーフィンを楽しみたい人にはおすすめの対策です。
クラゲ予防の日焼け止めを使う
クラゲ予防用の日焼け止めを使うという方法も有効です。この日焼け止めは、クラゲが嫌いなイソギンチャクの成分が配合されています。
クラゲは目が見えないので、その日焼け止めを塗っておくことでイソギンチャクだと誤認して離れていってくれるのです。ウォータープルーフ(耐水性)の日焼け止めが多いので、長い間海に入っている人にもおすすめです。
海水浴は早い時期に
子供を連れて家族で海水浴に行く時は、まだクラゲが発生、成長していない早めの時期に楽しむのが良いでしょう。もしクラゲを見つけたら、できるだけ離れることが大切です。クラゲは水の流れに逆らって泳げないので、足をバタバタさせながら泳げば、刺されるリスクを軽減できるでしょう。
クラゲに刺されたら
万が一刺されてしまったら、痛みのレベルなどに関わらず、速やかに海から上がって安静にしましょう。海水を傷口にかけてクラゲの触手を洗い流したり、ピンセットや毛抜きで触手を引き抜いたりするのも効果的です。
ただし、触手を取り除く処置をする際には、素手で行ったり、口で吸いだしたりすることのないように注意しましょう。薄手のゴム手袋で行うのがベストです。
また、水道水を使うと、浸透圧によって毒が体内に入ってしまいます。ですから、洗い流すための水は必ず海水を使うようにして下さい。また絶対に刺された場所をこすったりしないで下さい。
あらかじめ塗り薬を用意しておく場合には、薬局で薬の塗り方を薬剤師さんに教えてもらいましょう。クラゲに刺されたと思ったら、症状の種類・程度に関わらず、速やかに医療機関を受診する事をおすすめします。
代表的なクラゲ
日本で遭遇する可能性のある代表的なクラゲを紹介します。刺されることで発生する痛みの種類や、刺されてから毒による症状が出るまでのタイムラグなども、クラゲによって異なります。
ハブクラゲ
沖縄地域に生息しているハブクラゲは、5月から10月が発生時期とされています。ハブの毒よりも強い毒性を持つと言われるハブクラゲの場合、刺された瞬間に火傷のような激痛を感じ、すぐに水泡やみみず腫れが現れます。その後、細胞破壊がスタートし、最悪の場合には呼吸困難や心肺停止のリスクもあります。人体にとっては危険なクラゲです。
カツオノエボシ
太平洋側で多く発生するとされていて、3月から9月が発生時期とされています。電気クラゲの異名を持つカツオノエボシは、刺されると電気ショックに似た激痛が走り、その後腫れてきます。刺されてから症状が現れるまでに10分程度の時間があります。ハブノクラゲと同じく人体にとっては危険なクラゲです。
カギノテクラゲ
日本の近海ではどこでも、3月から9月にかけて発生します。刺されると痛みが走ります。頭痛や筋肉痛、咳や鼻水などが出る場合もあります。カギノテクラゲの場合、刺されてから毒による症状が見られるまで1時間ないし2時間程度の時間があるため、その間に病院に行くことが可能です。
アカクラゲ
太平洋側で特に多く発生するとされていますが、日本の近海のどこでも発生する可能性があります。11月から翌年5月が主な発生時期となり14度以下の水温を好むとされています。刺されると痛みが走り、水泡やミミズ腫れなどが現れます。
近年では海水温度が上昇していると言われていますので、クラゲの発生時期や生息場所も少し変わって行くのかも知れません。
まとめ
- 全般的にクラゲには毒がある
- 水温が高くなると成長・発生するが例外もいる
- 大半のクラゲは海で発生する
- 海でも浅い所に生息している
- 事前対策と応急処置と医療受診が重要
クラゲに精通していない人にとっては、刺されたのがどんなクラゲでどういった症状がいつ出るのかがまず分かりません。
ハブクラゲとカツオノエボシは人体にとって危険度の高いクラゲです。刺されないように最善の対策をとると同時に、万が一刺されたら速やかに医療機関で受診しましょう。
今回は「クラゲ対策」についてのお話しでした。